お風呂は一見リラックスできる空間ですが、介護中の高齢者にとっては転倒リスクが非常に高い危険な場所でもあります。
特に濡れた浴槽やタイルの床は滑りやすく、少しのバランス崩れが骨折などの重大事故につながることも。
そんな中、安全対策として注目されているのが「お風呂用滑り止めマット」です。この記事では、介護の現場や在宅ケアで役立つ滑り止めマットの選び方やおすすめ商品、設置時の注意点まで詳しくご紹介します。
介護におすすめのお風呂用滑り止めマット5選
【1】リッチェル すべり止めマット 60×38cm
- 吸盤が全面に配置され、しっかり密着
- やわらか素材で足触りが良い
- 切り込み加工ありで浴槽にも対応
→ 浴槽の底にも敷けて応用範囲が広く、家庭介護でも安心。
【2】オカ株式会社 バスピタッ!抗菌すべり止めマット
- 特殊ゴム素材で滑りにくさ抜群
- 抗菌・防カビ加工済みで清潔を保ちやすい
- カラフルで見やすいカラー展開
→ 視認性が高く、認知症のある方にも向いている。
【3】アイリスオーヤマ バスマット SBN-6540
- ソフトPVC素材でひんやり感軽減
- 通気性のよい穴あきデザイン
- 浴室の床でも浴槽内でも使える2WAYタイプ
→ 柔軟性と排水性を両立した使い勝手の良い設計。
【4】アンビエントラウンジ ノンスリップマット Lサイズ
- 床暖房や滑りやすいタイルにも対応
- 表面に凹凸があり、足裏のグリップ力アップ
- 介助者の足元にもおすすめ
→ 要介護者だけでなく、介護する側の足元対策にも最適。
【5】東和産業 風呂マット 滑り止め 吸盤付き
- コンパクトなサイズで部分使いに最適
- 安価で導入しやすく、買い替えも簡単
- シンプルデザインでどんな浴室にもなじむ
→ ステップ用や足元だけに敷きたいときにも便利なアイテム。
高齢者が入浴時に滑りやすい理由とは?
筋力・バランス能力の低下
加齢によって足腰の筋力が弱まり、浴槽の出入りや立ち座りが不安定になりがちです。濡れた床ではバランスを取りづらく、転倒のリスクが高まります。
足裏感覚の鈍化
神経の衰えや糖尿病の影響などで足裏の感覚が鈍くなると、床が滑りやすいことを認識しづらくなります。その結果、気づかないうちに足がすべってしまうことも。
裸足×石けん=滑りやすい条件が揃っている
浴室では裸足で行動するうえに、床や浴槽に石けんやシャンプーの成分が残っていることも多く、滑りやすい環境が自然にできあがってしまっています。
お風呂用滑り止めマットの選び方
介護用途に適した滑り止めマットを選ぶ際は、以下のポイントをしっかりチェックしましょう。
1. 強力な吸盤付きでズレにくいもの
滑り止めマットの中でも吸盤の数が多く、床にしっかり密着するタイプは、動きの多い介助場面でも安心です。マットの裏面全体に吸盤があるものを選ぶと、ズレやめくれの心配が減ります。
2. 水はけの良い素材
水が溜まりにくい構造や素材を選ぶと、カビやぬめりの発生を防ぐことができます。排水性の高いデザイン(穴あき構造やメッシュ素材)がおすすめです。
3. 柔らかく足腰にやさしい
硬すぎる素材は足の裏に負担がかかりやすいため、ソフトな素材でクッション性があるマットが理想です。冷たさを感じにくくなるというメリットもあります。
4. サイズと厚みに注意
設置スペースに合ったサイズであることはもちろん、厚すぎてつまずくようなことがないよう、段差にならない厚さを選ぶことも大切です。
滑り止めマットの設置時の注意点
マットのズレやめくれを防ぐ
吸盤タイプでも定期的に確認して、吸着が弱くなってきたら貼り直しましょう。ズレたまま使うと、逆につまずきやすくなり危険です。
使用後は干して乾かす
入浴後は必ず浴室の外で乾燥させるようにしましょう。湿気がこもるとカビやぬめりの原因になります。フックなどに吊るして干すと効果的です。
床面との相性を確認する
床がデコボコしていたり、素材によっては吸盤がうまく吸着しない場合もあります。購入前に床材の種類(タイル・樹脂・FRPなど)をチェックしておくと失敗を防げます。
家族・介護者ができるサポートの工夫
浴室に手すりも設置して併用する
滑り止めマットだけでは不安な場合は、浴室内に手すりを設置することでバランスをサポートできます。L字型や縦型の手すりが特に効果的です。
浴室照明を明るく保つ
視認性が悪いとマットの存在に気づかずつまずいてしまうことも。白色LEDなど明るく均一に照らす照明を活用しましょう。
入浴前後に声かけ・介助を行う
「マットに乗ってね」「ゆっくり足を出してね」など、適切な声かけを行うことで、本人の注意が高まり事故を防ぎやすくなります。
実際の改善事例とユーザーの声
事例1:足が弱った祖母が安心して入浴できるように
転倒を何度か繰り返していた祖母に滑り止めマットと手すりを導入。「冷たくないし、安心して入れる」と本人も喜び、家族も入浴時の不安が軽減された。
事例2:認知症の母に色つきマットで視認性アップ
白い浴室に白い床では、段差や足元が分からず危険だったが、黄色のマットを敷いたことで本人も認識しやすくなり、足元の不安が軽減。
まとめ:お風呂の滑り止めマットは“命を守る道具”になる
お風呂場での転倒は、要介護者にとって命取りになりかねない重大事故です。しかし、滑り止めマットを適切に選び、設置することで、そのリスクは大きく軽減できます。
この記事のポイントまとめ:
- 高齢者は筋力・感覚の低下でお風呂場が滑りやすい
- 滑り止めマットは吸盤・水はけ・柔らかさが重要な選定基準
- サイズ・設置場所・乾燥・ズレ防止をしっかり意識する
- 手すりや照明、声かけなど他の工夫との併用も効果的
「まだ大丈夫」と思わず、事故が起こる前に安全対策を。滑り止めマットひとつで、入浴がもっと安心で快適な時間になります。ツール