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認知症の冷蔵庫対策はどうする?家庭でできる5つの工夫と注意点

認知症の家族と暮らす中で、「冷蔵庫の中がぐちゃぐちゃ」「何度も開け閉めを繰り返す」「腐ったものを戻してしまう」「冷蔵庫の電源を切ってしまう」といった悩みを抱える方は少なくありません。

冷蔵庫は日々の生活に欠かせない家電ですが、認知症の影響によって“誤った使い方”をしてしまうことで、食品の劣化や電気代の無駄、誤飲・食中毒といった深刻なトラブルへと発展することもあります。

こうした状況に対して、介護する側が感情的に制止してしまうと、本人が混乱・反発して関係悪化につながる可能性も。そこで大切なのが、「認知症 冷蔵庫 対策」を家庭で無理なく行える形で整えることです。

この記事では、よくある冷蔵庫トラブルの具体例とその原因を掘り下げながら、家族が今日からできる7つの実践的な冷蔵庫対策をご紹介します。


認知症 冷蔵庫 対策|家庭でできる7つの現実的なアプローチ

認知症の方にとって、冷蔵庫は「食べ物がある=安心」「生活のリズムを感じられる」象徴的な存在です。しかし認知機能の低下により、正しく使うことが難しくなってしまうこともあります。

では、どのようなトラブルが起きやすく、それに対してどんな工夫が有効なのかを一つずつ見ていきましょう。


1. 冷蔵庫を何度も開けてしまう・開けっぱなしにしてしまう

よくある行動:

  • 数分おきに何度も開閉を繰り返す
  • 冷蔵庫のドアを閉め忘れてしまう
  • “食べる時間か確認したい”という意識がループしている

対策方法:

  • 【貼り紙+写真で安心感】「ごはんはもう用意してあります」「今日は〇〇があります」といった優しい言葉とともに、料理や家族写真を貼ると効果的。
  • 【音声メッセージ装置】開けた瞬間に「冷蔵庫は閉めてくださいね」と音声で促す装置(2,000〜3,000円前後)が効果的。
  • 【開けっ放し防止アラーム】一定時間ドアが開いたままならアラームが鳴るタイプ。注意を促し、開け放しを防げます。

2. 関係ないものを冷蔵庫に入れる

よくある行動:

  • 常温食品・日用品・書類・通帳など、冷蔵保存不要なものを詰め込む
  • 「安全な場所にしまいたい」という心理が背景に

対策方法:

  • 【冷蔵庫内ルールを明示】「この中には食べ物・飲み物だけ」「これ以外の物はここに」と代替の収納場所を提示。
  • 【本人用ボックスの設置】冷蔵庫内に1つだけ“安心スペース”として個人用ボックスを確保し、干渉しない方法で落ち着かせる。

3. 腐った食品・賞味期限切れの物を戻してしまう

よくある行動:

  • 食品の状態が見分けられず、臭いや見た目の変化に気づけない
  • 賞味期限を理解できない状態にある

対策方法:

  • 【ラベルや色シールで視認化】「OK」「もう食べません」など色や文字を使って判断しやすくする。
  • 【定期的な中身チェックを家族が担当】食材の管理は本人に任せず、介護者が中心となって定期点検を行う。

4. コンセントを抜く/電源を切る

よくある行動:

  • 音が気になって抜いてしまう
  • コンセント=不要な電気と誤認識するケースも

対策方法:

  • 【コンセントカバーや目隠し家具】コード類を物理的に隠すことでアクセスそのものを遮断。
  • 【モーター音が少ない機種への買い替え】「うるさいから切った」というケースが多いため、静音モデルの検討も◎

5. 自分の分を食べられないことに不安を感じている

よくある行動:

  • 冷蔵庫を開ける理由が“確認したい・確保したい”という心理的動機の場合も

対策方法:

  • 【小型冷蔵庫を別に用意】「あなたの冷蔵庫だよ」と伝えて個人用の空間を持たせることで安心感を与える。
  • 【取り分け済みの食材・おやつを置いておく】目に見えるところに「あなたの分」を用意しておくと、必要以上の行動を抑えられます。

6. 誤飲や危険な食材に手を出してしまう

よくある行動:

  • 生の食材や調味料を誤って飲む/食べる
  • 食材の状態が認識できず、すぐに口にしてしまう

対策方法:

  • 【鍵付きボックスの導入】生肉・薬品・調味料などはロック付き収納へ。
  • 【口に入れても問題ない物を優先的に配置】ゼリー・ヨーグルトなど、本人が手を伸ばしやすい前面に置く工夫も◎

7. 冷蔵庫そのものを避けたほうがよいケースも

認知症が進行し冷蔵庫の存在そのものが混乱のもとになる場合、「本人には使わせない」方針に切り替える必要があります。

対策方法:

  • 【キッチンへの立ち入り制限】ゲートやカーテンで物理的な導線制限
  • 【冷蔵庫ロック+明確な説明】「今日はお料理済みだから、もう開けなくて大丈夫」と都度伝えることで安心感を与える

Q&A|認知症 冷蔵庫 対策に関するよくある質問

Q. 冷蔵庫の貼り紙が剥がされます。効果的な方法は?
A. 写真フレームを使ったり、ラミネート加工したPOPを磁石で貼ると剥がれにくく、視覚的にも伝わりやすくなります。

Q. 本人がロックを嫌がるのですが…
A. 触っても問題ない“本人専用エリア”を設ける方が納得してもらいやすく、無理のない対策につながります。

Q. 見守り用の冷蔵庫IoTグッズはありますか?
A. ドア開閉センサーやIoT対応冷蔵庫の活用で、家族が外出中でも使用状況を確認できるサービスが増えています。


まとめ|認知症 冷蔵庫 対策は「制限」より「理解と工夫」がカギ

認知症のある方の冷蔵庫トラブルは、生活上の小さな違和感から始まり、大きな事故につながるケースも少なくありません。

だからこそ、冷蔵庫の構造や配置、使い方そのものを「本人が触っても問題のない状態に整える」ことが大切です。

  • メモや音声、ラベルでの「視覚・聴覚サポート」
  • コンセントやドア操作の「物理的工夫」
  • 専用エリアや小型冷蔵庫の導入で「安心感の確保」

家族も本人もストレスをためない、やさしい冷蔵庫対策を取り入れて、日々の生活をもっと快適にしていきましょう。ツール