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車の乗り降りで足が上がらない原因と対処法|今すぐできる筋トレとラクな動き方を理学療法士目線で解説

車の乗り降りで足が上がらないと感じるとき、原因は「筋力」「関節」「体の使い方」のいずれか、あるいは組み合わせで起こります。

本記事では理学療法士の視点で、考えられる原因をシンプルに整理し、今すぐできる筋トレと、その場でラクになる動作のコツを具体的に解説します。

痛みを増やさず、安全に乗り降りするためのチェックリストや、受診の目安も併せて紹介します。

車の乗り降りで足が上がらない主な原因を三つに分けて理解する

まずは原因を「筋力低下」「関節の硬さ」「体の使い方のクセ」の三つに分けて考えると、対処が選びやすくなります。

複数が同時に絡んでいることも多いため、自分の状態を短時間で自己判定できるよう、感覚に落とし込みます。

筋力低下のサインを見分ける

太ももの前(大腿四頭筋)、股関節の曲げる筋(腸腰筋)、お尻の横(中殿筋)が弱ると、足が持ち上がりにくくなります。

片脚で靴下が履けない、低い段差でつまずく、立ち上がりに手で太ももを押してしまうなどは、筋力低下の典型サインです。

筋力は「使った方向に強くなる」ため、足を前へ持ち上げる・横へ支える・体を起こす動きを日常で少量ずつ積み上げます。

関節の硬さが動きを止める理由

股関節の屈曲や外旋、膝の曲げ伸ばし、足首の背屈が硬いと、必要な可動域に届かず足が上がらない感覚になります。

特に股関節の前側(腸腰筋・大腿直筋周囲)が硬いと、膝を持ち上げる時に骨盤が後ろに逃げ、腰が丸まってさらに上がりにくくなります。

ストレッチは「痛気持ちいい手前」を15〜30秒、呼吸を止めずに続けるのが安全です。

体の使い方のクセを直すと即効で変わる

シートに深く沈み込み、上体を捻ったまま足だけ上げようとすると、股関節に無理がかかります。

骨盤を立て、上体と骨盤を同じ方向にそろえて動くと、必要な可動域が減り、少ない力で足が上がるようになります。

「向きをそろえる→重心を近づける→小さくまたぐ」の順番が基本です。

原因別のセルフチェック早見表

自分の課題を素早く見つけるため、次の表で当てはまる項目を確認しましょう。

チェック当てはまる場合の主因優先する対処
椅子から立ち上がるのに手を使う大腿四頭筋の筋力低下椅子スクワット
仰向けで片脚を胸へ引き寄せにくい股関節前面の硬さ腸腰筋ストレッチ
方向を変えず足だけ先に出す癖がある体の使い方の問題向きをそろえる動作練習

一つでも当てはまれば、対応するトレーニングと動作修正から始めると効果的です。

今すぐできる安全な筋トレとストレッチ

筋トレは「痛みを悪化させない強度」で「毎日少量」を続けるのが最短距離です。

ここではイス一脚で始められて、乗り降りに直結する種目だけを厳選します。

イスを使ったスクワット(太もも前とお尻)

高さの合うイスに座り、つま先と膝を同じ方向に向けます。

足を肩幅、胸を軽く張り、鼻で息を吸いながらお尻をイスに触れる寸前まで下げ、吐きながら立ち上がります。

  • 回数と頻度:8〜12回×2セットを週3〜5日。
  • ポイント:膝が内側に入らないよう、太ももは正面を向ける。
  • 痛み対策:膝前が痛い場合はしゃがむ深さを浅くし、重心はかかとへ。

手は軽く太ももに添えて補助OKですが、押しすぎないようにします。

もも上げ(腸腰筋)

背もたれのあるイスに浅く座り、片側の太ももをゆっくり持ち上げます。

膝は90度前後を保ったまま、骨盤を後ろへ倒さないようお腹を軽く引き込みます。

  • 回数と頻度:左右各10〜15回×2セットを毎日。
  • ポイント:上げる高さは「骨盤が動かない範囲」。
  • 痛み対策:股関節前がつっぱる時は、事前に浅いストレッチを入れる。

足首に軽いアンクルウェイトを付けると段階的に負荷調整ができます。

横もも保持(中殿筋)

背もたれに座って体をまっすぐにし、膝の間にクッションや丸めたタオルを挟みます。

膝で軽く押し合いながら、骨盤を立てる意識で30秒キープします。

  • 回数と頻度:30秒×3回を毎日。
  • ポイント:腰が反らないよう下腹部を軽く締める。
  • 応用:立位で横歩きゴムチューブも有効。

横方向の安定がつくと、乗り降りの「足をまたぐ」動きが楽になります。

股関節前のストレッチ(腸腰筋)

片膝立ちになり、後ろ脚の股関節の前側を伸ばします。

骨盤は正面、背中は軽く伸ばし、痛みの出ない範囲で前へ体重を移動します。

  • 保持と頻度:15〜30秒×左右2〜3回を毎日。
  • ポイント:腰を反らさず、骨盤ごと前に進む。
  • 代替:立位で壁に手をつき、後ろ脚のつま先を外に向けて同様に伸ばす。

伸ばす位置が分かりにくい場合は、股関節前を指で触れながら行うと感覚がつかみやすくなります。

安全に続けるための強度ガイド

筋トレは「翌日に軽い張りが残る程度」を目安に調整します。

痛みが強く出る、腫れや熱感が出る、夜間痛が続く場合は強度を下げるか一度中止します。

反応次の調整注意点
心地よい疲労同じ回数を継続週単位で少しずつ増やす
張りが強い回数−2〜3回休息日を挟む
鋭い痛み中止・専門家へ相談フォームを再確認

フォームが乱れるほどの回数は行わず、「余力を1〜2回分」残すのがコツです。

ラクに安全に乗り降りする基本動作のコツ

痛みを増やさずに足を上げるには、シートの位置、向き、重心移動の順番を整えるだけで違いが出ます。

ここでは「乗る」と「降りる」を分けて、誰でも再現しやすい型を紹介します。

乗り込みの型(向きをそろえてから座る)

まず車体に近づき、シートにお尻から座ります。

体の向きと骨盤をシートに対して正面にそろえ、そこから足を一緒に回し入れます。

  • 手すり活用:片手はドアの支柱、もう片手はシートに置いて体を安定。
  • 座面高:低すぎるとキツいので、クッションで2〜3cm高くすると楽。
  • 回旋介助:ビニール袋や回転クッションを敷くと骨盤の回し入れが軽くなる。

足だけ先に入れようとすると股関節に負担がかかるため、「お尻→向きをそろえる→足を回す」の順序を守ります。

降車の型(足をそろえて下ろしてから立つ)

シートの縁までお尻を前に寄せ、上体をやや前傾します。

両足をそろえて外に回し出し、足裏がしっかり地面に着いてから立ち上がります。

  • 前傾角度:鼻がつま先の上に来る程度が目安。
  • 手の置き場:片手はドア枠、もう片手はシートに置き、ハンドルは強く引かない。
  • 段差対策:足元に段差があるときは先に片足だけやや前へ出して支持を作る。

痛みが強い日は、いきなり立たず数秒かけて足の感覚を整えると安全です。

その場で使える「足が上がらない」時の即効ワザ

瞬間的に上げやすくする小技は知っておくと便利です。

  • 骨盤を立てる:腰の後ろに薄いクッションを入れて背もたれを少し立てる。
  • 重心を近づける:お尻をシートの端まで寄せ、足と骨盤の距離を縮める。
  • 足をまとめて回す:片手で両膝を軽くそろえ、内またにならないよう外側へ回す。
  • 靴の工夫:かかとが引っかからない靴(滑りの良いソール)に変える。

これだけでも「あと少し上がらない」が解消するケースは多くあります。

痛みを増やさないための注意点と受診の目安

筋トレや動作練習で改善が見込める一方、痛みの性質や神経症状によっては医療機関での評価が必要です。

安全のための赤信号を共有し、無理なく前進しましょう。

自己ケアのNGと注意点

やり方を間違えると、かえって痛みが増えることがあります。

  • 痛みを我慢して深くしゃがむ、反動を使う動作は避ける。
  • ストレッチでしびれが出る体勢は中止し、角度を浅くする。
  • トレーニング直後の強い冷えや長時間の同一姿勢を避ける。
  • 急な負荷増加はしない(回数は週ごとに+2〜3回程度)。

「心地よい負荷」を超えた痛みはサインです。

受診・相談の目安早見表

次の状態に当てはまる場合は、整形外科や理学療法士へ相談をおすすめします。

症状想定される問題推奨対応
安静時や夜間も続く強い痛み関節炎・骨性問題医療機関で評価
下肢のしびれや力が入らない神経根・脊柱由来早期受診・負荷中止
急に腫れや熱感が出た炎症・外傷冷却と受診

既往症がある方や術後の方は、主治医の指示を優先してください。

要点をまとめて次の一歩へ

足が上がらない原因は「筋力」「関節」「使い方」に大別でき、対策はそれぞれに用意できます。

イススクワット、もも上げ、中殿筋の保持、腸腰筋のストレッチを少量ずつ毎日行い、車の乗り降りは「お尻から座る→向きをそろえる→足を回す」「足をそろえて下ろしてから立つ」の型でラクにします。

痛みを我慢せず、赤信号の症状があれば受診を検討し、安全第一で進めてください。

今日の数分の積み重ねが、明日の一歩の軽さにつながります。