高齢の家族や介助が必要な方が“玄関の段差でつまずきそうになる”“立ち上がりが不安定”と感じた経験はありませんか？
玄関の段差は、転倒事故や外出の億劫さを生む最大の要因です。そんな時、安全な出入りをサポートする「介護用玄関踏み台」の導入は、家族にも本人にも大きな安心をもたらします。
しかし実際は、「高さ・素材・滑り止め・手すり・耐荷重」など選ぶべきポイントが多く、市販品・DIY・保険活用まで選択肢が豊富。
失敗しない踏み台選びには“設置場所”や“介助者の使い勝手”も考慮が欠かせません。
この記事では、2025年最新版のおすすめ踏み台ランキングから、選び方・設置場所別の最適解、手すり付きモデルや住宅改修制度の活用術、DIYでの安全な作り方、長く安心して使うためのメンテナンスまで、介護現場・家庭の両視点で徹底解説します。
毎日の「行ってきます」と「ただいま」を、安全で自信ある一歩に変える玄関踏み台の選び方をお届けします。
玄関用介護踏み台を選ぶポイント〈5つの基本〉
段差の高さと踏み台サイズを計測する
玄関の段差は住宅ごとに10cm～30cm以上と大きく異なります。失敗しない踏み台選びの第一歩は「段差の高さ」と「設置スペース」を正確に測ることです。
- 理想の高さは、元の段差の半分以下（例：18cmの段差なら9cm程度が負担が少ない）を目安に。
- 横幅・奥行きも重要で、「片足で乗れるだけ」だと危険。大人が両足を並べて立てる幅（40～60cm以上）、奥行きは30cm以上が安心です。
- 踏み台が“はみ出し設置”になると転倒リスクが上がるので、玄関内外のスペースをメジャーで正確に計測しましょう。
滑り止めと転倒防止ガードの有無
高齢者や介助が必要な方には、滑り止め機能の有無が最重要ポイントです。
- ゴム製滑り止めマットや踏面の凹凸・エンボス加工があるモデルを選ぶことで、靴や靴下のままでも安全性が大幅にアップします。
- 雨や雪、靴裏が濡れている場合も想定し、屋外対応のノンスリップ加工や“水はけ設計”をチェック。
- 転倒防止ガード付きモデルは、踏み外しや足の引っかかりを防ぐために有効です。踏み台の側面や後部に「立ち上がりガード」や「段差ストッパー」が付いているものは特に安心です。
素材（木製／樹脂／アルミ）のメリット・デメリット
- 木製：見た目の温かみと適度な重さで安定感があり、室内用に最適。ただし、防腐・防カビ対策や水濡れには注意が必要です。
- 樹脂製：軽量＆耐水性に優れ、屋外玄関や共用部にも最適。滑り止め付きのモデルが多く、メンテナンスも楽ですが、長期の紫外線劣化には注意。
- アルミ製：非常に軽量で持ち運び・移動が簡単。耐久性・耐食性も高く、折りたたみモデルや屋外兼用に向いていますが、軽すぎて安定感が弱い場合は滑り止め必須。
耐荷重と安定性をチェック
- 踏み台は最低でも100kg以上の耐荷重を選びましょう。
- 家族や介助者が同時に乗る、または体重をかける場面を想定し、“支柱が太い・脚部補強あり”モデルが理想です。
- 床との接地面積が広い（4点接地・ゴム脚付き）ものは、ぐらつきや傾きも防げます。
- **「SGマーク」や「介護用品認定」**などの安全規格も必ず確認してください。
手すり一体型 vs. 後付け手すりの比較
- 手すり一体型モデルは、踏み台と手すりが一体化し、立ち上がり・段差昇降動作が非常に安定。スペースがあれば最も安全な選択肢です。
- 後付け手すりは、玄関のレイアウトや家族構成、使う人の身長に合わせて後から自由に追加できるメリットがあります。工事不要なスタンドタイプも増えており、賃貸や仮設にも対応。
- 設置場所によっては**“両側手すり＋踏み台”の組み合わせがベスト**。転倒やふらつきが心配な場合は積極的に採用しましょう。
玄関介護踏み台おすすめランキングTOP10
第1位：高さ調整できる2段タイプ
- 段差の高さに合わせて3cm刻みで高さ調節が可能な2段式モデル。
- 上段・下段それぞれ独立した滑り止めと、ワイドな踏面で“ふらつき”を徹底カバー。
- 工具不要のレバー式で調節も簡単。複数人が利用する玄関や、季節ごとの段差変化（冬場の玄関マット設置時など）にも柔軟に対応。
第2位：手すり一体型オールインワン
- 手すりと踏み台が一体化した安心設計。立ち上がり動作をアシストし、握力が弱い方や杖使用者にもおすすめ。
- 手すり部分は高さ・角度を調整可能で、体格や動線に合わせてフィット。
- 滑り止め付き踏面＋手すりの“Wサポート”で転倒リスクを大幅に低減。
第3位：軽量アルミ折りたたみモデル
- アルミ製で2kg以下の超軽量。力の弱い方でも自分で移動でき、使わないときは簡単に折りたたみ収納が可能。
- 狭い玄関・共有スペース・仮設利用に最適。
- 足ゴム＋広い踏面で安定感も確保。
第4位：滑り止めマット付き木製デザイン
- インテリアになじみやすい天然木製＆滑り止めマット付き。
- 踏み心地が柔らかく、冷えを感じにくいのもポイント。
- 室内専用で、玄関框（かまち）内側にピッタリ収まるサイズ設計。
第5位：車椅子併用スロープ一体型
- 踏み台＋緩やかなスロープ一体型で、車椅子や歩行器利用者も玄関出入りがラクに。
- スロープ部は折りたたみ式で、段差高さに応じて使い分け可能。
- 高耐荷重設計で、介助者と一緒に昇降しても安心。
第6〜10位：コスパ＆機能別モデルまとめ
10位：防水・抗菌加工モデル
雨の日やペット同居家庭にもおすすめの防汚・防カビ仕様。
6位：樹脂製ハーフステップ
軽量・耐水性抜群、屋外設置や掃除も楽々。
7位：超ワイドタイプ
家族全員で使える幅70cm超、二世帯住宅や施設向け。
8位：省スペースコーナー型
狭い玄関やアパートの隅にもフィットするL字デザイン。
9位：高さ固定シンプルモデル
とにかく安く、1段の段差だけをピンポイントで解消したい人向け。
設置場所別ベストな踏み台レイアウト
玄関ポーチ外側：屋外対応樹脂タイプ
- 屋外玄関は雨・雪・泥・紫外線にさらされるため、「耐水性」「防カビ」「日焼けに強い」樹脂製・プラスチック製モデルが最適です。
- 樹脂タイプは軽量で掃除も楽、天候や季節による設置場所の微調整も簡単です。
- 滑り止め加工や水抜き穴付きなら、靴のまま使っても泥や水がたまりにくく衛生的。
- ポーチの奥行きが狭い場合は省スペース設計（奥行き20〜25cm）やコーナー型踏み台を選ぶと転倒リスクも減ります。
玄関框内側：省スペース折りたたみ
- 室内玄関框（かまち）側は**「踏み台＋収納」や「折りたたみモデル」**が便利。
- 折りたたみ踏み台は使わないときに壁際やシューズボックス下に収納でき、狭小住宅やマンションにぴったり。
- 天然木や滑り止めシート付きなら、フローリングとも調和しつつ安全性もキープ。
- 框の内側は“つまずきやすい”ため、踏み台の角が丸いもの、端が立ち上がり加工されているものを選ぶと安心。
マンション共用廊下：騒音・共振対策
- マンションの共用廊下や外玄関では、音や振動が周囲へ伝わりやすいので「脚部にゴムパッド」「防振マット」を敷くとトラブル回避に。
- 軽量アルミ・樹脂モデルは床のキズ対策も重要。裏面に滑り止め＆防音シート付きが理想です。
- 共用部での設置は、管理組合や大家さんに事前許可を取ることも忘れずに。
狭小玄関：コーナー型ステップ活用
- 玄関スペースが極端に狭い住宅や団地では、「L字・コーナー型ステップ」や「縦型2段タイプ」が省スペースで便利。
- コーナーを活用することで、動線を妨げず昇降サポートが可能に。
- 手すり付きの“突っ張り棒式”も壁側コーナー設置に最適です。
二世帯住宅：可動式で朝夕だけ設置
- 二世帯や複数世代同居では、踏み台を使う時間帯が限られることも多いため「キャスター付き」や「取っ手付き」の可動式モデルが便利。
- 日中は片付けておき、朝夕の出入り時だけ設置すれば邪魔になりません。
- 軽量アルミや樹脂製モデルを選び、転倒防止のストッパー機構付きで安全性も確保しましょう。
手すり付き玄関踏み台の導入メリット
立ち上がり・段差昇降動作をサポート
- 手すり付き踏み台は、「立ち上がる」「一歩を踏み出す」「段差を降りる」など全ての動作を体ごと支えてくれるため、自力での出入りが不安な方や下肢筋力が弱い高齢者には必須アイテム。
- 片手でもしっかり体重をかけられるため、バランスを崩した時の転倒防止にも効果大。
- 手すりがあると、介助者が一緒に支えやすくなるため、家族介護や訪問介護でも重宝される。
屋外用ステンレス手すり vs. 室内木製手すり
- **屋外用（ステンレス・樹脂）**はサビや腐食に強く、雨・雪・泥にも耐えるため長寿命。
- **室内用（木製・合成皮革巻き）**は肌ざわりが良く、冬でも冷たさを感じにくい。インテリアにもなじみやすい。
- どちらも「握りやすい太さ」「手すり先端の丸み」「高さ調整可能」がベスト。
介助者が支えやすい高さと形状
- 手すりの高さは70～90cmが標準。使う人の身長・動作に合わせて調整可能なモデルが理想。
- まっすぐの手すり以外にも「L字」「コの字」「段違い形状」など**“つかまりやすさ”を重視したバリエーション**がある。
- 介助者が“前後・左右どちら側からもサポートしやすい位置”に設置できるかも、選定ポイント。
DIYで後付けする場合の注意点
- スタンド式や突っ張り式の工事不要手すりなら、設置も撤去も簡単。
- ボルト固定タイプは**設置面の強度（コンクリ・木材など）**を必ず確認。
- 賃貸や共用部では、工具不要・跡が残らないタイプが安心。
- DIY設置時は、ガタつき防止・ネジの締め直し・定期点検も忘れずに。
玄関踏み台×介護保険・住宅改修制度の使い方
特定福祉用具購入 vs. 介護住宅改修の違い
- 玄関用の介護踏み台は「特定福祉用具購入」もしくは「介護住宅改修費」のどちらかで公的補助の対象になりますが、制度によって対象・上限・申請方法が異なります。
- 特定福祉用具購入：市販の「踏み台」や「手すり一体型踏み台」が**1品目ごとに最大10万円（1割〜3割自己負担）**の範囲で支給対象。購入後、領収書や証明書を市区町村に提出し、後日償還払いされます。
- 介護住宅改修費：玄関段差を解消するための「手すり工事」や「踏み台の据え付け工事」などに対し工事費用の20万円までが上限（自己負担1〜3割）。据え付け型やビス止め工事が必要なケースはこちら。
- どちらも要介護（支援）認定者が対象なので、まずはケアマネジャーへの相談が第一歩です。
支給上限20万円を最大活用するステップ
- 住宅改修費の20万円枠は「生涯1回」ではなく、「区分変更」「転居」「介護度が大きく変わった場合」など複数回利用可能なケースもあるため、必要なタイミングで迷わず活用しましょう。
- 踏み台だけでなく、**手すり・スロープ・滑り止め・床材変更などとセットで申請することで“1回の申請で家中の安全対策をまとめて行う”**ことも可能。
- DIY設置を予定している場合も、「購入費用の給付」や「必要最低限の工事だけ補助」など自治体独自の助成があるため、事前相談と書類確認が重要です。
ケアマネジャーに相談するタイミング
- 要介護認定を受けたら**できるだけ早くケアマネジャーに「玄関の段差が不安」「踏み台や手すりが必要」**と伝えましょう。
- ケアプランの作成時や見直し時に**「住宅改修」や「福祉用具購入」の項目を追加**できるため、自費購入する前に一声かけるのが節約の鉄則です。
- 住宅改修は見積もり・写真撮影・事前申請・工事後報告書類が必須。
- ケアマネジャー経由なら、申請書類の書き方や業者紹介・見積もり取得まで無料でサポートしてもらえる場合が多いです。
申請書類と見積もり取得のポイント
- 見積書には「踏み台設置」「手すり取付」など具体的な品名・設置場所・工事内容を明記してもらう。
- 工事前後の写真（現況・完成）や設置図面が求められるため、スマホでの記録や業者とのやりとり記録も残しておきましょう。
- 必要書類は自治体ごとに異なるので、事前に窓口やケアマネジャーから「申請用チェックリスト」をもらうのが安心です。
- 申請・工事・払い戻しまでに1か月以上かかる場合もあるため、余裕を持ったスケジュールが大切です。
DIYで作る玄関踏み台：材料・手順・費用
ホームセンターでそろう木材と滑り止めシート
- 踏み台DIYは1×4材・2×4材・合板などホームセンターの規格木材でOK。
- 樹脂製やアルミパイプも選択肢だが、木製が一番安価かつ加工しやすい。
- 天板には滑り止めシート（ゴムマット・ノンスリップテープ）を貼り、水や汚れに強い防水塗料を使うのがコツ。
高さ調整ボルトで微調整する方法
- **市販のアジャスター付きボルト（100均やホームセンターで入手可）**を脚の底に付ければ、微妙な床の傾きや段差にもぴったり合う。
- 高さ調整は「±2cm」まで可能なものを選ぶと安心。
- 設置後もガタつきを感じたら、ボルトを回して調整できるので手間が少ない。
コーナークランプを使った安全な組み立て
- 天板と脚の直角がズレないよう**コーナークランプ（L字金具）**を活用。
- ビス打ちだけでなく、ボンドも併用して強度アップ。
- 底面は滑り止めゴムパッドやフェルトで床キズ・ズレ防止も必須です。
塗装・防水加工で長寿命化
定期的に塗装面の劣化をチェックし、1〜2年ごとの再塗装や滑り止め交換を習慣に。
木製踏み台は**防腐・防カビ塗料（屋外木部用）**を2回塗りすると耐久性が大幅アップ。
塗装後はしっかり乾かしてから滑り止めシート貼付→設置するのが安全。
失敗しない設置・メンテナンスQ&A
ぐらつき防止の固定方法は？
- 設置面が平らな場合は、四隅の脚に滑り止めゴムパッドや粘着タイプのノンスリップシートを貼り、踏み台がズレないように固定します。
- 玄関床がタイル・コンクリの場合は、「防振・耐水ゴムマット」を敷くことで滑り＆共振音も予防。
- **木製踏み台なら、床面と接する脚部分にL字金具で“床固定”**する方法もありますが、賃貸やマンションは“置き型＋滑り止め”が無難です。
- 不安定な場合は、壁や柱にロープやバンドで仮固定するのも一つの手段。とくに介助者が頻繁に踏み台を動かす環境では、定期的な固定チェックが安心。
屋外設置で注意すべき防腐・防カビ対策
- 屋外踏み台は“水はけ”が最大の敵。
・踏み面を「スノコ状」や「パンチング加工」にして、雨水が溜まらない構造に。
・防腐剤・防カビ剤入りの塗料で年1〜2回メンテナンス。 - 樹脂やアルミは基本的に耐水だが、直射日光や泥のこびりつきは早期劣化の原因。
- 屋外使用後は「乾いた雑巾で拭く」「定期的に水洗い＋日陰干し」で長寿命化。
- 積雪地帯や湿度が高い地域は、踏み台カバーや雨避けの設置も効果的です。
滑り止めシートは何年で交換？
- 屋外は1年、屋内でも2年を目安に交換。
- 踏み面の滑り止めが「テカテカ」「ベタつき」「剥がれ・浮き」「すり減り」など劣化サインが見えたら即交換が原則です。
- 100均のノンスリップシート・テープは短期消耗品と割り切って使い、メーカー純正品は耐久性が高い反面、交換時期の見逃しに注意。
手すり後付け工事の日数と費用目安
- **工事不要タイプ（スタンド・突っ張り棒式）**なら、設置は10〜30分、費用は1万〜2万円前後が目安。
- ビス止めや壁固定タイプは、施工1〜2時間・材料費込みで2万〜5万円程度。
- 住宅改修制度を使う場合は、ケアマネジャーや業者手配・事前申請も含めて最短1〜2週間で設置完了。
- 費用の一部を補助できるケースも多いため、「見積もり段階で公的制度の適用可否を確認」するのが賢明です。
まとめ｜玄関踏み台で安全に出入り動作をサポート
介護が必要な方や高齢のご家族にとって、玄関の段差は日々の生活で最も大きな“障壁”のひとつです。
しかし、最適な踏み台・手すりを選び、設置場所や素材、保険制度やDIY活用まで工夫することで、“毎日の出入り”は安心で自立した一歩に変わります。
この記事では、「選び方5つの基本」「人気ランキングと設置場所別の活用法」「手すり付き・DIY・介護保険活用」「設置・メンテナンスのQ&A」まで、2025年の最新トレンドを余すことなく網羅しました。
家族やケアマネジャーと相談しながら、自宅の玄関・家族の状況に合ったベストな踏み台を選んでください。
小さな工夫が、転倒リスクを減らし、“外出の楽しみ”や“自宅での安全”を支えてくれます。
介護をもっと前向きに、快適に。まずは今日できる対策から、始めてみましょう。
